3D ISOVISTによる空間評価
【目的】
街路間にある歩行空間の評価を行う。
街路と建物の間にあり歩行空間として提供されている空間が、人の居心地の良さや楽しさに作用する重要な空間構成要素になっているのではないだろうか
広くて開けたスペース⇒不特定多数の人の集まり⇒休憩
単純にアクセス性が高い街路だけでなく、人の集まり易さ、快適な空間である要因があるのではないだろうか。
そこで評価指標として、どれだけオープンな空間であるかアイレベルを基準に2D/3D ISOVISTで評価してみました。
【検証】
人の交通量が多いとして過去に算出したIntegration値の高い街路を選定し、空間的にどれだけオープンな空間か、アイレベルで視野はどれ程開けているかを導き出してみました。
2D/3D空間の両側面から分析してみました。
分析エリア
A~DはいずれもSpaceSynatax理論でのIntegration値が高い街路を指しております。
各観ポイントから半径100mの円内でisovistを計算し可視面積(投影面積)を算出。
2D ISOVISTの結果では観測ポイントBが一番開けた空間であることが分かりました。
IntVの高い街路の交点を観測ポイントとし、直径500mの半球体空間を発生させ視野の障害となる建物を取り除いた空間のボリュームを算出します。
【結果】
3D ISOVISTでは観測POINT Cが一番開けた空間であることがわかりました。
【考察】
結果として2D ISOVISTでは観測ポイントD、3D ISOVISTでは観測ポイントBのボリュームの値が大きく一番開けた空間であることがわかりました
2D ISOVISTと3D ISOVISTでの評価結果の違いとしては、2D ISOVISTは建物を取り除いた投影面積で評価しております。一方、3D ISOVISTでは3D空間Z軸領域のボリュームを算出しているので実空間を評価した結果になります。
人間の視野は上方向に60度下方向に70度の視野領域があると言われております。
3D空間内でのオープンスペースが広いほど隣地の建築物との距離、上部空間での視野が確保出来る為、開放感があり、快適性も高い空間として評価できる手法だと考えております。
平面的に2D ISOVISTの評価では単純な障害となる建物外の投影面積での評価になりますが、実空間では3D ISOVISTで空間そのものを評価する有効な手法であることがわかりました。
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