ずいぶんと前のことになってしまいますが、昨年4月に開催されたB.Information展で展示した「BI Platform」を簡単に紹介します。
B.Information展では、普段、無意識に触れている「情報」を「モノ」へと変換することで、情報に直感的に触れることをテーマにしました。
近年、様々な活用がされているB.Information(建築情報) を、「情報の取得(GET)」、「生成(MAKE)」、「蓄積(STOCK)」、「活用(UTILIZE)」、という設計事務所における4つの情報フローになぞらえ、将来的な活用への考えを展示しています。
■アプリケーション
本展示は、日建設計本社ビルのエントランスにある4mの大型モニターを使ったインタラクティブなデジタルアーカイブです。
これまで「個」として存在していた建築を「群」としてとらえ、「都市」「建築」「1:1」の3つのスケールにわたって、情報をシームレスにスケーリングする体験を目指しました。操作者の動作によりモデルの回転や選択操作をします。
Kinect v2の操作はこちらのアセットをベースにカスタマイズして実装しています。
Kinect v2 Examples with MS-SDK
■データフロー
設計時に生成されるBIMデータ、物件情報などのB.Informationは分散し形式も様々ですが、これらをデータベースとつなぐことで、データ管理やリファレンスへのアクセスが容易になります。
アプリケーションはゲームエンジンを使い、シーンに必要な情報をつなぎ、ビジュアライズしています。
都市モデル群や、点群データは高負荷のため、初期化時に全モデルを読み込み、シーン遷移の負荷を減らしました。
■都市
都市スケールでは、日建設計本社ビルから半径500mの範囲に関しての情報を表示します。日建設計が関わった建築物、Space SyntaxのIntegration値、蓄積データから予測されるエネルギー量などをマッピングしています。
■建築
建築スケールでは、日建設計本社ビルのBIMデータに、設計情報、外構の点群データ、階ごとのコスト割合などを重畳しています。
点群表示にはこちらのアセットを使用しました。
Point Cloud Viewer and Tools
■1:1
1:1スケールでは、指をさした部材の仕上を閲覧することができます。
各部材は建材リストと結ばれており、円形に並べたリストの中から構造、下地、仕上材料の組み合わせをマッピングします。
操作位置は現実空間と鏡面関係になる視点位置となっており、多人数で見ることできる、ある種のVRとなっています。
空間の雰囲気と指さしによる選択動作はこちらを参考させていただきました。
UnityでVRっぽい見た目のシェーダを作る
Kinect を使って Unityゲームの中で指さし(腕さし)をする
今後もB.Informationをストックするプラットフォームを開発し、様々に活用していきたいと思います。
参考サイト:
UnityでPoint Cloudを表示する方法
UnityでKinectを使う(カラー画像/赤外線画像/Depthデータ/Body)
Render Textureでカメラの映像をスクリーンに映す
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