Skill up Lab(SuL)のテーマの1つとして取り組んでいるMaterial Experiment Labについてご紹介します。
"Material Experiment"とは、日本語に訳すと"素材実験"です。
このラボでは、文字通り素材の実験やプロトタイピングに取り組みながら、素材に関する情報や知識を蓄積するとともに、デジタルデザインとフィジカルな世界を結びつける試みを行っています。
こうした試みを通じて、素材からアプローチするデザインを実際のプロジェクトにおいて実践し、さらにこれまで建築に使われていなかった新素材や新しい加工技術を開発することを目指しています。
考えてみると建築の設計者というのは特殊な立場です。
建築というものづくりの大きな枠組みの中に居ながら、「こうつくるべし」という設計図は描いても、自らの手で建物をつくることはありません。しかしだからこそ、設計者がデザインするものが単なる紙の上の空想にならないよう、素材や技術についての確かな知識と深い洞察が必要だと私たちは考えています。
このラボで行う素材実験は、物理や化学、ときに生物学などその対象は多岐にわたります。こうした実験のプロセスにデジタルな思考と手法を加え、素材と技術の新たな可能性を見出す試みを行っていきます。今後は実際に行っている実験の内容についてもこの場で少しずつご報告していきたいと思います。
一見すると「これって建築とどう関係があるの?」と思われるような実験もあるかもしれません。
そしてその問いに私たち自身もすぐには答えることができないかもしれません。しかし、実際に自分たちの手を動かして行う実験を通じて得られる知識や経験が、いつか新しい建築デザインの可能性へとつながっていくと信じて活動しています。
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